Q&A

よくある質問を取り上げてみました。

※わからないことはそのままにせず、主治医の先生によく相談しましょう。
病気のこと、患児のことを一番理解してくださっているのは主治医の先生です。

A:国立がん研究センター 眼腫瘍科 鈴木茂伸 科長

網膜芽細胞腫について

Q.子どもが網膜芽細胞腫と診断され、片眼摘出と言われました。摘出以外に治療 法はないのでしょうか? セカンドオピニオンを受診した方がいいのでしょうか?
A.腫瘍の状態や、眼球の状態によります。希望があればセカンドオピニオンを受けることが可能です。ただ、病気の進行は早いため、診断後1週間程度で治療方針を決めることが重要です。

 

Q.摘出になる場合と温存治療が選択できる場合の境目はどこですか?
A.眼痛がある、大量の眼内出血がある、眼球外に腫瘍が広がっているなどの場合には眼球摘出をすべきです。それ以外の場合は、治療の負担と、温存可能性を考え、選択することが大切です。

 

Q.抗がん剤治療をした場合、どれぐらい2次がんや体に影響があるのか?おとなになったときにどれだけの影響があるのか、抗がん剤の種類によっても影響が違うのか、詳しく教えてほしいです。
A.抗がん剤は、体の細胞にとっては有害ですので、いろいろな副作用が生じます。直後には骨髄抑制による感染の危険性、長期的には難聴、心臓などの臓器障害や二次がんを生じる可能性があります。抗がん剤の種類、回数によって異なるため、一般論として説明することはできず、その都度担当医と相談する必要があります。

 

Q.MRIやCTの検査を全然していないのですが、大丈夫でしょうか?MRIやCTではどんなことがわかるのでしょうか?またリスクもお伺いしたいです。
A.検査をすればすべてわかるわけではありません。CTは被曝をするため二次がんのリスクを増やします。MRIは被曝しませんが、鎮静を必要とするため、鎮静によるリスクがあります。眼球内の状態は眼底検査をすることで確認できます。画像検査を行う意味は、眼球外の病変を診断することです。自覚症状がなくても画像検査を行うべき条件は、眼窩内再発の疑われる場合(眼球摘出後に眼球外浸潤があった場合など)、視神経浸潤が疑われるが白内障などで眼底の見えない場合、両側性の場合の三側性網膜芽細胞腫のスクリーニング検査です。画像でわかるのは、通常と異なる腫瘍があるか否か、またそれが増大しているか否か、ということです。

 

Q.視力は何歳くらいで計れますか?
A.3歳くらいから測定できるようになり、3歳半で半数以上が可能です。

 

Q.患児のきょうだいも眼底検査は必要ですか?
A.遺伝子の検査を行うか否かで異なります。患児の遺伝子検査を行い、変異が検出され、同じ遺伝子をきょうだいが持っていれば、ほぼ発病するため密に眼底検査を行う必要があります。患児に検出された変異を持っていない場合には、理論上発病しませんので検査は不要です。
遺伝子の検査を行っていない場合には、遺伝性の可能性があるため、5歳頃までは定期的に眼底検査を行うことが勧められます。

 

Q.眼球を失ったために骨(筋肉のバランス)の発育に左右差が出ると思いますが、少しでも左右差を減らすために日常できることがあれば教えてください。(気を付けることなど…)
A.義眼の調整をまめに行い、眼窩容積を保つことで骨の成長がある程度促されます。できることは義眼の調整ということになります。

 

Q.摘出後、まつ毛が下向きになってしまいましたが、手術以外で治す方法はありますか。年齢を重ねると良くなることがあるのか、また義眼でよくなることはあるのでしょうか。
A.義眼の形を調整すると戻る場合があります。ただ、多くの場合は義眼の調整だけでは難しく、ある程度成長した段階で形成手術を考えることになります。

 

Q.義眼台を入れたいのですが、摘出後何年経っていても大丈夫なのでしょうか?
A.義眼台は、眼窩の容積が少ないものを補うために行います。いつでも行うことは可能です。ただ、現時点では保険で認められている義眼台はありませんので、自己組織を使うなども考える必要があります。

 

Q.再発や二次がんに対して気をつけることはありますか?
A.元々の病気の状態により確率は異なりますので、主治医に確認することが重要です。その上で、普段と異なる症状があった場合、自然に治ればよいですが、続く場合や悪化する場合には、その部位を重点的に検査することが重要です。

 

Q.二次がんになってしまう可能性がどれくらいあるかを知るめやすのようなものがあるのか知りたい。
A.二次がんの確率は、両側性の場合で、放射線治療を行っていれば50年で38.2%、放射線なしでは21.0%と報告されています。大まかに年0.5-1%程度増加すると考えてください。

 

Q.網膜芽細胞腫は小児慢性特定疾患以外に何か助成してくれる制度はありますか?
A.障害者に該当する場合には、種々の助成が受けられます。その他NPO法人などで助成を行っているものもあります。自治体の福祉担当者に確認するか、相談支援センターなどで確認するのが良いと思います。

 

義眼について

Q.義眼を洗う時、いつも大泣きして、逃げ回っています。患児が自分で義眼の手入れができるようになるのは、いつくらいですか?
A.個人差が大きいですが、3-4歳で自分でできるようになる子もいます。いやなことではないということをわかってもらうことが重要です。また、歯を磨いて、義眼を洗って、というように日課に組み込むこともひとつです。

 

Q.義眼の洗浄や手入れの仕方を教えて下さい。
A.水道水で、1日1回は洗い流してください。たんぱく質の汚れがついてくると、ざらざらしてくるので、コンタクトレンズ用の洗浄液や、中性洗剤などで時々洗い、よく洗い流してください。それでもきれいにならないときには義眼師の方に研磨してもらってください。

 

Q.成長に合わせて義眼を作るということですが、赤ちゃんから乳児、幼児と成長する時期の作成頻度は、どのくらいでしょうか?
A.2年に1回は補助が出るようになっています。必ず変える必要があるわけではなく、目の開きが小さく見える、義眼が回転するなどの場合に、作り変えを義眼師と相談してください。

 

Q.目をこすって義眼がくるっとまわってしまったり、取り出してしまったりするのですが、どうしたらいいのでしょうか?
A.義眼の形状を、横に長くするなど調整することで、回転しにくくなります。

 

Q.義眼をはずすと、眼の中に目やにがたまっていることがあります。眼の中の目やにはどのようにとればいいでしょうか?
A.義眼をはずすと、目やにがついてくることがあるので拭き取ります。水道水で流すようにしてもよいです。

 

Q.目やにが多く義眼にこびりついてしまうので、拭いていたら下瞼が赤くなってしまいました。どうすればいいでしょうか?
A.まぶたの皮膚は弱いため、こすると赤くなります。義眼をはずして洗うことと、その際に出てくる義眼を拭く程度にしたほうがよいです。

 

Q.最近日によって目やにが多いです。目薬をさすことは目やにの軽減に有効でしょうか?
A.眼脂はだれでも出ますし、義眼の場合は奥にたまりやすいため多く感じます。眼脂があるから点眼をしなければならないということはありません。漫然と抗生剤を使用することは耐性菌を作ることになり避けるべきです。

 

Q.義眼が、眼の内側の炎症がひどくて入らなくなった場合は、どのような治療があるのですか?
A.炎症を抑える軟膏や点眼を使用して炎症を抑えます。繰り返す場合は、義眼の調整が必要です。

 

Q.義眼業者を選ぶときのポイントを教えて下さい。
A.複数回通う必要があり、メンテナンスも必要ですので、通いやすいことが重要です。作り方など多少異なる点もあり、気になる点があれば主治医と相談するのが良いと思います。

 

Q.義眼の大きさを変えたり、削って修正してもらった費用は医療費として申請を出せるのでしょうか?
A.医療費控除の対象になります。

 

形成手術について

Q.形成手術を受けた方が良いという話は、いつ先生から話されるものなのでしょうか?こちらからたずねないと話はないものでしょうか?
A.手術は、メリットがデメリットを上回る場合に行うべきものです。形成手術をしなくても命に影響ありません。下垂や内反など、もしくは眼瞼炎などを繰り返す場合に、希望すれば手術ということになります。医学的に必要性の高い場合は医師からいいますが、基本的には希望によるものと考えます。

 

Q.放射線治療を行いましたので、やはり左右のバランスが悪く、治療した方の眼が小さく、少し窪んでいます。左右差を少なくするためには、どのような形成手術がありますか?また何歳くらいに受けるのがいいでしょうか?
A.眼球が温存されていて、その眼が小さい場合、その眼の視力が残っていれば治療しません。視力が残っていない場合には、眼球の上に乗せるかぶせ義眼を使うことで窪みを改善できます。

眼球摘出後で、義眼を使っても陥凹している場合、いくつかの治療法があります。

骨が萎縮して陥凹している場合、骨移植などを行う必要があります。成長に伴う変化がある程度固定した成人になってから行うことが望ましく、余り早い時期に行うと複数回の手術が必要になります。

骨の萎縮が軽度の場合、眼窩内へ容積を補うものを埋め込むことで義眼床を持ち上げ、陥凹を改善します。

人工物を使う場合、脂肪組織など自己組織を使う場合があります。変形の程度や手術の侵襲も考えて時期を決める必要があります。眼部の形成手術を専門にしている眼形成医、もしくは形成外科医と相談して下さい。

形成手術を受けるのは本人ですので、本人が陥凹を気にしていて、自分で手術を受けようと思うことが治療の前提になります。

 

Q.眼瞼下垂の手術後は眼が閉じなくなるといったことがありますか?
A.下垂手術により閉じにくくなる例はあります。義眼を使用していれば多少なりとも閉じにくいため、寝ているときには薄目をあいている状態になることが多いです。

 

Q.眼瞼下垂の手術をするならどういった手術の方法がありますか?できればデメリットも教えてください。
A.下垂手術は、眼瞼挙筋の働きが残っていれば、その腱膜を瞼板(瞼の支持組織)に縫い付ける手術になります。デメリットは、あげすぎると閉じないことです。

遺伝について

Q.遺伝について検査したいのですが、どうすればいいでしょうか?
A.発病している方の場合は、保険の枠内で検査が可能です。ただ、検査結果の解釈などが重要なため、検査とともに遺伝カウンセリングを受けることが必要です。各施設の遺伝外来などで相談し、その施設で対応できなければ専門施設に依頼することになります。
発病した方の遺伝子検査を行い、原因となる変異が同定された場合に、発病していない血縁者の検査を行うことができます。この場合は保険ではできず、自費で検査を行うことになります。

 

Q.片眼性の遺伝について
A.遺伝性でも片眼のことがあり、片眼性の患児の子どもの発病確率は7.5%といわれています。

 

Q.患児は遺伝性の網膜芽細胞腫だということで、きょうだいも眼底検査をしました。きょうだいには発症していませんが、将来きょうだいの子に遺伝する確率はどのくらいあるのでしょうか?
A.両眼性で両親が発病していない場合、きょうだいの発病確率は2.5%と報告されているため、その子どもの発病確率は1.25%と推定されます。

 

Q.第1子が両眼性ですが、家系には過去いません。現在第2子妊娠(13週) 遺伝子検査等今後何かする必要はありますか?
A.第一子が両側性、両親が発病していない場合、第二子の発病確率は2.5%と報告されています。生まれたらすぐに眼底検査を行うことが第一です。遺伝子検査は第一子で変異を検出できていれば、出生時に臍帯血検査を採取して遺伝子の検査をすることができます。第一子で検出された変異と同じものが検出されれば、90%以上の確率で発病しますが、変異が検出されなければ発病しません。

 

Q.親の乱視は遺伝しますか?
A.通常は遺伝しません。

日常生活について

Q.目やにが多いのですが、近所の眼科で大丈夫でしょうか?
A.洗うことが基本になります。目やにの多い場合には、近医で点眼を相談してください。

 

Q.発達の遅れが気になります。どこに相談したらいいでしょうか?
A.小児の発達を専門としている先生の診察が望ましいです。小児科のかかりつけの先生に相談していただき、必要と判断されれば専門施設へ紹介されることになります。

 

Q.足を痛がると心配になります。病院に行った方がいいでしょうか?その際には、何科を受診すればいいでしょうか?
A.痛くても普通に歩いているのであれば、成長痛と思われ、経過観察でよいと思います。歩いたり走ったりすることが難しい場合には、関節炎、骨肉腫などの可能性があり、整形外科を受診していただくのがよいと思います。

 

Q.いつくらいに告知した方がいいでしょうか?
A.こどもは、通院していることなどから、病気のことを知っている場合が多いので、聞かれたときにはごまかさずに答えることが大切です。これとは別に、成人になるときにはこどもへの遺伝の可能性を伝えるなどが必要です。

 

Q.幼稚園入園の時に、先生やまわりの方々にどのように病気や義眼のことを説明すればいいでしょうか?
A.先生や周りの方によって対応は異なると思います。先生には、義眼であることや視力制限のあることなどは伝えておいたほうが良いです。

 

Q.全盲ですが、普通学校と盲学校どちらに通わせたらいいのでしょうか?
A.盲学校(特別支援学校)を勧めます。全盲の場合、見えないことをどのように補うかを学ぶことができるのが盲学校です。普通学校の特別支援学級では十分な対応ができません。0.1-0.3程度の視力があれば、低学年のうちは普通学級でも対応できることがあります。

 

Q.小学生になったら野球をやりたいと言ってます。動きの速い小さい球を片方の眼だけで行うのは、とてもハンデがあると考え、水泳やピアノ等違うことに興味を持たせようとしています。子ども自身片眼で育ってきたことで、親が思う程違和感なくやれるものなのでしょうか?
A.高校野球をしている片側の男児もいます。ハンデにはなりますが、練習することで距離感などはある程度習得できます。本人が希望すれば禁止すべきではないと考えます。

 

Q.義眼のため、できないスポーツはありますか?
A.できないものはありませんが、片眼では距離感がつかめないため、うまくできないものはあります。やりたいものはチャレンジすることで、ある程度まではできるようになります。

 

Q.片眼だと3Dは観れないとききましたが、VRは観られますか?
A.3D画像を見ることはできますが、立体的には見えません。VRを見ることはできますが、その画像の設定によっては見え方がおかしくなる場合があります。

 

Q.片眼で遠近感がないことは、生活に支障がありますか?
A.とっさの距離感がないため、ぶつかることがあります。運転の場合なども距離感がつかめないため、安全運転を心がけることが重要です。ただ、慣れることでかなりの部分は対処できます。

 

Q.片眼摘出していますが、運転免許はとれますか?
A.良いほうの目の視力が0.7あれば、普通免許は取れます。二種免許や大型免許は取れません。

 

Q.片眼摘出していますが、なれない職業はありますか?
A.両眼の視力を必要とする職業は、基準が決まっているためなれません(パイロット、鉄道の運転師など)。希望の職業があれば、その基準を調べておくことが重要です。

 

Q.親の喫煙による影響は何かありますか?(二次がんへの影響など)
A.間接喫煙でも、肺癌などは増加すると考えられています。

 

Q.加入できる保険を教えて下さい。
A.保険会社で相談してください。治療内容、治療後の期間、通院の有無などの条件により異なります。

A:「すくすく」

「すくすく」について

Q.お話会や勉強会に参加できなくても、会員になることはできますか?
A.網膜芽細胞腫の患児(経験者)の方、患児の保護者でしたら、会員になれます。「すくすく」は全国の会なので、お話会や勉強会に参加できない会員はたくさんいます。また、会員ではなくてもお話会には参加できますが、勉強会には参加できません。「すくすく」は同じ病気の家族がボランティアで活動していますので、会員の皆さんには、できるときに、できることをご協力いただいております。

 

Q.冊子を購入したいです。
A.ありがとうございます。冊子は、冊子購入専用の口座にお振込いただければ、入金確認後、1~2週間以内に、担当より郵送させていただきます。
現在は、「すくすく育て子どもたち」「すくすく育て子どもたち②」「すくすく20周年記念誌」「すくすく育て子どもたち③」を販売しております。「すくすく育て子どもたち絵本」は現在完売しているため、「すくすく20周年記念誌」に掲載させていただいております。


《冊子購入の振込先》
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 「すくすく育て子どもたち」(1冊1,000円送料込み)
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Q.入園・入学リーフレットを見てみたいのですが。
A.入園・入学リーフレットは、啓発活動資料と一緒に「すくすく」HPメニュー【啓発活動資料jpg】にUPしています。国立がん研究センター中央病院の眼科外来にも置いてありますので、ご自由にお持ち下さい。

 

Q.「すくすく」のポスターを近くの病院や保健センターに掲示してもらいたいのですが、ポスターはどこで手に入れることができますか?
A.ご協力ありがとうございます。「すくすく」HPメニュー【啓発活動のご協力のお願い】よりご連絡いただければ、 発送させていただきます。

 

Q.お話会ではどんな話題が多いですか?
A.このQ&Aに取り上げられているようなことをもっと具体的に情報を交換しています。義眼の取り扱い、入園・入学時のまわりへの病気の説明や、遺伝、告知に関して、保険加入など、参加する会員の気になっていること、知りたいこと、または病気に対する不安な気持ちを語り合っています。自分の住んでいる地域で同じ病気の方に会えることはなかなかないと思うので、お話会は病気のことを気兼ねなく話せる唯一の場です。